星と人の砂時計

僕らの世界には多くの資源(リソース)が存在する。

わかりやすいところだと、石油、石炭、天然ガス、空気、水とかだけど、そういう狭い意味じゃなくて、それも含んだ広い意味。
動物や植物みたいな生き物だって世界にとってはリソースだ。
僕ら人間も、野を走る獣も、水を行く魚も、あらゆるところにいる微生物も、野菜も果物も野草山菜雑草も。
食べ物という意味でも、何かしらの成分っていう意味でも世界にとっては同じリソースの1つ。

身の回りにある人工物だってリソースだ。
自転車、歯ブラシ、スマートフォン、パソコン、防止、ジーンズ、シャツ、電柱、家、メガネ、本、フィギュア、トレカ、ノート、ペン、etc...
これらもリソースの形が変わっただけ。

僕らの世界のリソースは有限だ。
この「世界」っていうのは住んでる星っていう意味じゃない。
星の外も含めた全部を指している。
星で生きる限り、じゃなく、星を出てすら有限っていうこと。


僕らは生きる限りリソースを使い続ける。
食べ物を食べ、自分に変換したり、スマートフォンやパソコンと電気と僕らの時間と労力を使って作られたコンテンツを自分の持つそれらで見て、楽しいとか悲しいっていう感情に変換したり。
車に乗って何処かへ遊びに行ったり、資源を使って資源について研究したり。


限りあるってことは、使う速度が補われる速度を超えてしまうと、減っていく。
減っていって、いつかは足りなくなる。
足りなくなると、僕らが減るしかなくなる。
僕らを維持するためのものが消えるわけだから。
僕らの消費量が補われる量を下回るまで、使う側である僕らが減る。


そんなことにならないためにはどうしたらいいんだろう。

リソースの量っていうのは決まっているから、増やすことはできない。
何処かから採ってきて増えているように見えても、全体の総量としては増えてない。
偏らせているだけ。

増やすことが出来ないなら、使う量を減らすか、補う量や速度を上げるしかない。

でも、使う量を減らすっていうことは、作る量も減るっていうことで、それで生きている人に影響が出る。
個人がプラスを増やすには、マイナスを減らすのが一番簡単なんだけど、全体でそれをやろうとすると問題が起きてしまう。
急に歯車の大きさを変えたらおかしくなってしまうようなもの。


じゃあ、使う量を減らすんじゃなくて、補う量や速度を上げるのはどうなんだろう。
新しくそういう仕組みを追加するっていうことは、そこに新しく従事する人たちの居場所が出来るっていうことだから、上の問題は起きないように見える。
自分たちの使うリソースは充分に補充できるし、

ただ、これって余裕が生まれすぎると、人が増えすぎてしまうから、リソースの消費量は減らない。
むしろ前よりも加速していく。
でもって、リソースはいつも偏るから、足りなくて困っているところよりも、余ってるところに溜まっていく。
行き場を失ってまた無駄になっていく。
でも、偏らないように出来るのであれば大丈夫そうに思える。
どうやってそれが出来るのかはわからないけれど。

加えて、そもそも補えないものも存在する。
自然が長い長い時間かけることでしか作ることが出来ないものだったり、作れたとしても作る価値が無いものだったり。
「まだ」作れないだけなら問題ないけど、作れたとしても、生み出されるプラスよりも、生み出すために使うマイナスの方が大きいなら作る価値はない。


僕らはどちらの方法も並行してとっているけど、流れとしては「補おう、増やそう」って方に傾いている。
というか、使う量を減らす考えが主流になったことってあるのかな。

自分たちが生きる今を再優先して考える限り、たぶんそうはならないはず。
だって、自分が生きている間に得る価値が一切無いんだから。
自分が受け取れる価値、使える価値を減らしてまで、未来に繋ごうって考えられる「出来た人間」なんてそう多くはない。

それが出来るとしたら、自分のリソースと世界のリソースを同一のものとして考えられるか、在るべきを求め続けられる人だけなんじゃないかな。
未来へ繋げることを現在の自分の幸福って考えられる人とかもそう。
もちろん、死後の云々みたいな考えもありかもしれない。

大体は「自分1人ぐらい」って考える。
もちろん、実際に自分1人だけであれば問題はないんだけど、現実は1人×10000だったり1人×1000000000だったりするから大問題。
自分が考えることは他の誰かも考える。
1人いたら30人はいるどころか、数億単位でいる。

根っこの部分では問題は問題のまま。


ただ、こういう問題は星を出れば解決する。
少なくとも見た目上は。
この星で補えない分を、他のところにあるものを使って補う考え。
そこで自由に暮らせるようになれば、あちらとそちらの別個の問題として、ある程度切り離して考えることが出来る。

もちろん、見た目上はっていうように、これは解決じゃなくて長引かせてるだけっていう見方ができる。
資源の採取先が広がっただけで、根本的な解決にはなってない、みたいな。
ただ、外も有限ではあるんだけど、それがあまりにも広すぎて、あまりにも多すぎるから問題が問題では無くなるんじゃないか、って思えたりもする。

でも、増やそう、補おうっていう考えを基本にしている以上、とりあえずはそうするしかない。
余ってる何処かから持ってくるしかない。

でもって、そもそも星に寿命がある以上、いつかは出て行くしかない。
方法として最良であるかどうかは別として、自由に行き来できるようにならないといけない。


だから、今の僕らがやってるのは、問題を先延ばし先延ばしにしながら、その限界がくる前に外に出ること。
僕らの時代では流石に外と簡単に行き来することは出来ないかもしれないけれど、でもそう遠くない未来に出来るようになるとは思う。
思うって言っても、専門家でも何でもないから根拠なんて持ちあわせちゃいないのだけど。

ただ、このままならそうなるんじゃないのかなーって、思ってしまうだけ。



んー

どっちが早いんだろうなぁ。


World Population Growth - Our World in Data
https://ourworldindata.org/world-population-growth

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