僕らは過去に下した評価に縛られがちだ
むかし馬鹿だった人間がいまも馬鹿とは限らない
でも、むかし馬鹿だと思い、そういう風に触れていた人は、いまも馬鹿だと思ってその人を見る
馬鹿は馬鹿のままで
天才は天才のままで
人間は変わらず、評価は変わらず
過去の単純な延長線上に生き続けると思い込んでいる
自分の中に作った過去のものさしに支配されている自分
その人の現在と、自分が下した過去の評価に食い違いがあると、否定したがる
そんなわけがない、あいつは馬鹿だ、うんたらかんたら
確かに、人はそう簡単に変わらない
でも、変わらないというわけじゃない
5年もすれば多少は変わっていくし、10年もすれば自分の知っている誰かではなくなる
変わる意識を持てればもっと短い
性格も、味覚も、人の好みも、目標も、何も変わらないんだろうか
人は変わらないという考えは別に構わない
考えはそれぞれだし、そういうものを持つのも仕方ない
でも、それなら
自分も変わってないのだろうか
自分が誰かに対して抱いている思い込み
"人は変わらない"
馬鹿は馬鹿のままで、天才は天才のまま
そう思うのであれば、自分も一生変わらないんだろうか
馬鹿だ馬鹿だと言われて、馬鹿のまま変わらずに一生を過ごすんだろうか
性格も、味覚も、人の好みも、目標も、何も変わらないんだろうか
これを否定するのであれば、誰かに対する評価も見なおさなければいけない
むかしじゃなくて、いまの自分から
むかしじゃなくて、いまのその人を
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