あれはたしか私が小学生に上がる前の話だ
お婆ちゃんと2人でお茶を飲んでいた時のこと
こたつの魔力でうとうととしていると、突然お婆ちゃんが
「あらまぁ」
と私の湯呑を見て言った
「茶柱ね」
小さな私は茶柱が何のことかわからないまま訊き返した
お婆ちゃんはそれに答えず
「見ててね」
と言い、湯呑をじっと見つめていた
私もよくわからないままじっと見つめた
そうしていると、何処からかぼんやりとした光の塊が飛んできて、湯呑に落ちた
虫かと思って見ていると、光が消え、覆われていたものが姿を表した
薄い透明な白色のぷっくりした小人みたいな生き物
初めて見るそれに驚く私
お婆ちゃんはにっこりと笑って
「お久しぶりね」
とお茶の水面で揺れる小人のような生き物に話しかけた
「おぬしか。久しいのう」
「飴はいるかしら」
「貰おう」
お婆ちゃんは菓子鉢の中から取り出した小さな飴玉を湯呑の中の小人に渡す
「彼はね、お茶の精霊さんなの」
柔らかな笑顔でお婆ちゃんはそう言っていた
"お茶"
"飴"
"精霊"
「Nole Maker」
http://hollowcradle.cf/nole_maker
これらの断片のご利用はお好きどうぞ。
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