連想遊び〜「異世界×Android×お茶」〜


異世界探索機というものがある
これは人間が通ることができない道を通して異世界に送り、そちらの世界の様子を見ることが出来るというものだ

先日、その機械を用いた調査で、とある異世界における人類の滅亡が観測された
(厳密に言えばこちらの人類とは多少異なっていたが、こちらの世界における我々人類に該当する存在だと思っていただきたい)

彼らが滅んだ原因は環境の変化により生存可能な場所が無くなったためだ
収集した記録によると、どうやら国家間の利権絡みで対策が間に合わなかったらしい
どうやら人類というのは何処にいても同じ性質を持つものらしい
呆れてしまうところだが、もちろん我々も見過ごすことは出来ない問題だ
おそらく歴史からするとそう遠くない未来に起こりうることだろう

しかし、今はそれよりも強く興味を惹く現象がある

人類の滅んだ世界で、人間ではない者達による文明が生まれていた

アンドロイドの世界だ
どうやらこの世界では人間を補助するためにアンドロイド技術が高度に発展を遂げたらしい

彼らは特定の指示をしなくても、自発的に人間の補助をするように出来ている
しかし、補助する人類が滅んだため、アンドロイド達もその役目を終えた

補助する対象を失った彼らは、何を思ったのか、人間の替わりに行動し、それを互いに補助することを始めた
その結果、出来上がったのがアンドロイド達の社会

蓄積された記録を再現するように、人間がしていたことを行うアンドロイド
それを補助するアンドロイド
(社会というよりは、どちらかといえばコミュニティという方がニュアンスとしては近いかもしれない)

その一例として、面白い所ではアンドロイドのお茶畑というものがある

ある時、人のようにお茶を嗜むアンドロイドが発見された
記録によると、本来アンドロイドは人間の食事を摂ることはないが、飲み物を飲むことはできる
これは減少していく人間の"茶飲み相手のような存在が欲しい"といった要望で備えられた機能だそうだ

そして、そのお茶を作るアンドロイド達もいた
お茶畑を作り、育て、収穫し、茶葉をお茶に加工する
まるで人間だ

人類が滅んだという記録さえ無ければ、彼らをこの世界の人類だと認識していたかもしれない

人間が滅んだ異世界で育つアンドロイド達の社会
彼らは枠の外で何を夢見るのか
あるいは、まだ枠の中に留まっているのか

もう少し観察を続けてみようと思う



"異世界"
"Android"
"お茶"

「Nole Maker」
http://hollowcradle.cf/nole_maker

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また、連想される物語や設定などがありましたら、コメントにてご自由に、お気軽に綴って下さいませ。

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