箱庭の道徳

遠く 眺めていた
輝きを湛えた蕾の頃から

傷を知らぬ枝が
風雨に捻られたときも

その花弁が色を持ち
香り始めたときも

あと少し
もう ほんの僅かで

それが私の幸福期



唐突に
前触れなく訪れたその時は
描いたものではなく

肌に触れ合うのは
私の手ではなく

交わすのは
汚らわしく
脳の無い嗤い声

その形は
幾つもの季節の後
望まれる姿に咲いた
満開の花に張り付く毒虫のように



これは苛立ちではなく
もっと ずっと 昏くて深い−−−

私の原衝動

これは犯すものではなく
きっと 私だけに許された

当たり前の義務





■Fragments from "Unbound"
"虫"
"満開"
"苛立ち"

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