枯れた人形

眠る吐息で繰り返す
静かな旋律を心に抱いて

忘れたのは 願うこと 望むこと

紅い花が咲いているけれど
いつかは散りゆくものだから
強請るたびに言い聞かせて

隣で手を繋ぐのは背中合わせの僕ら
光を想うように 影を想う

砕いた欠片をゆっくり重ねて
繕う形はいつかの自分
強く描いた未来は
涙あわせて夢に見る

恐いのは 何か じゃなくて
欲しいのは 誰か で

僕は嘘つきな僕を知っているから
灰色の下で祈るんだ
傷痕の無い身体を
最初から優しい世界を

夢の終わりが嫌だから
震えながら
痛みながら

叫ぶ言葉を押し殺して
濡れた声で静かに唱える
傷付かないように
傷付けないように

零れる雨で 溶けるように

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