空白の空

真っ赤な血に濡れた赤子
泣き叫ぶ音を抱くのは 虚ろな顔の母親

銃声一つ
観客の悲鳴多数

曇り空から自由落下
現れるのは赤と朱と紅

可笑しくておかしくて何だか不思議と楽しくて
気付けば喉が震えてる
力なく動かした手が触れたところにあるのは歪んだ笑顔

傾いた頭で目の前の銃口を眺める
耳鳴りを引き起こす轟音

瞬の反動

倒れた先に広がる灰色

視界を塞いだ影が知らない言葉で何か言ってる
口元に浮かぶ 笑いにも恐怖にも見える顔は
僕の終わりを告げているようだった



ああ・・・

結局
知らなければいいことも
知りたくなかったことも
何も知らなかった僕は
見えない明日を ほんの少しだけ悲しいと思った

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