とあるおじいさんのお話
そのおじいさんは日がな縁側に腰掛け、感情の無い顔で庭を眺めている
縁側にあるのは3枚の座布団
1枚は彼が敷き、もう2枚は彼の隣にある
時々、その庭に猫が迷い込むことがある
散歩道となっているのだろうか
慣れているのか、彼らはおじいさんを警戒しておらず、自然な様子で側に寄ってくる
人懐っこいものはそのまま彼の隣の座布団に座ることもある
そういう時、おじいさんは猫を抱きかかえ、自分の膝に乗せる
それを見て、始めは猫が好きなのかと思っていたが、おそらく違う
あれは「その座布団は君のものではないんだよ」といった意味だろう
おじいさんの隣は誰のための居場所なのか
その空欄に記されていたのは誰の名前なのか
今日も老人は縁側で待ち続ける
"感情"
"空欄"
"縁側"
「Nole Maker」
http://hollowcradle.cf/nole_maker
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