天井を覆う広大な青
神話に語られるところでは、その先には虚無が広がるという
多くの先人たちがその向こうにある景色を求めて挑戦した
観測して、観察して、辿り着く術を考え
何年も何十年も何百年もかけて研究してきた
そして、長い長い試行錯誤の末にようやくその時は訪れた
国を挙げた壮行式典の後
選ばれた乗組員と共に、大地を離れ、浮かび上がる飛空艇
どんどん小さくなっていく影
少しずつ少しずつ、遠くに見える青へ近づいていく
そして、飛空艇はそれに触れた
その瞬間、波打つ空の水面
飛空艇を中心に広がっていく波紋
いつの間にか飛空艇は消え去っていた
その日から10年
今でも彼らは帰ってきていない
彼らは到達したのだろうか
彼らはその向こうへ至れたのだろうか
帰ってこない彼らを悲しむ声は未だ聞こえてくる
そんな中、街の牧師たちは「禁忌に触れたのだ」と言っていた
あの日、飛空艇が消えた時
天井を覆う青は灰色に変わり、世界は色を失った
僕らは触れてはいけないものに触れてしまったのだろうか
"虚無"
"青"
"先人"
「Nole Maker」
http://hollowcradle.cf/nole_maker
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