美食を好む、旅の老薬師
その老薬師は旅で寄った土地の名物を食べることを何より好んでいた
そんな老薬師が立ち寄ったとある村のお話
その村は味覚のない村だった
遠い昔、入ってはいけないとされる山の聖地に入り、山の神様の罰を受けてしまった
その罰で、村人たちは味覚を失ってしまった
野菜を食べても味はなく
肉を食べても味はなく
何を食べても美味しいとも不味いとも思わない
そのうち、村人たちは食べるものに頓着しなくなってしまった
毒がなければ何でも食べる
食べられれば何でも大差なし
ただ、生きるためだけに食事をする
そうしているうちに、いつしか村から美味しいものは消えていった
虫を齧り、草を齧り、木の根を齧り、獣を齧り
食べられれば何でも大差なし
ただ、生きるためだけに食事をする
そうしているうちに、いつしか村から美味しいものは消えていった
旅の老薬師は、その村の事情を知り、落胆した
この老薬師が村に来たのは、土地の伝承に残っていた名物を食べたいがためだった
しかし、村はご覧の有様
薬師は酷く落胆したが、この老薬師は諦めきれなかった
伝承に残るほどの逸品を口にするため、村人たちの味覚を取り戻すことを決意した
"村"
"決意"
"味覚"
「Nole Maker」
http://hollowcradle.cf/nole_maker
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