無慈悲な鏡

眠りから落ちる夢を見た

逆さ吊りの世界は無色の残光

凍てつく痛みは僕の裏側

無知でいた幼子は遠く

気付かぬまま追憶に消えた

消えゆく世界は色を持たない

心に落ちた雫は波紋を広げ

いつしか伽藍の響きとなる

明け方の覚醒

一つ壊れた

蝕む苛立ちは次の崩落

離れていく視界

沈む草花

純粋無垢に善を訴え

無自覚の彩りを剥がす



忘却の朝 刻印の夜

綺麗な虚飾は溶けていく



信じていた日々の裏側で

僕の世界は焼き付いた

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