夜幻

月明かり 街明かり
街灯と月光の下 道化は踊る

裂けた口に紅を潜め
零れる笑みは 夜を引き裂く声を呼ぶ

廻って 恐怖
冷まして 虚構
狭間で揺れる 曖昧な感情

殺し合うのは無感動な日々
果てに待つのは無常なる黒か

誘い 狂い 灰色煙り
青い刃に月が宿る

赤い赤い雨が降る
暗い暗い夜の街

泣き嗤うように 声無く叫ぶはいつかの童
言葉無くして死を運び
齎すものへ 死を返す

仮思で虚ろに浮かぶ顔に
歪みを刻んで
痛みを残して
途切れた世界に心を溶かして

今宵に揺れる 蒼き道化
鮮やかに月を仰ぎ観る

願いし終わりへあと少し

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