陰雨

重い雲の下 僕は地に伏せる
見上げる先には無邪気な悪意
見下す視線は黒く汚く



紅い色 髪を濡らす
心砕く嗤い声
罅割れた視界に濁る水
悔しさで瞑る右手
肌を削り 滲む色彩



弱い者は共に喰らい

遠くにある力は僕を見過ごす


正義は偽善
自我は曲がる

混じる灰色
差し出されることの無い光


掻き消える絶叫
永遠に近しき絶望

赤らむ貌はとても醜い



黒い意思が生まれて彷徨う
見え隠れする暗色



捩じられた世界
悪意は遥かに街を舞う
偽りの超越者は顧みない



流れゆく安らぎは雨に紛れた



捩れた無垢 憎む運命
壊れた心は声を紡ぎ
嘆きの雨に木霊する



痛みは渦巻き 赤黒い恨みへ形を変え 
そして 次の誰かへ



僕の中に
悪意の花が咲いていく


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