宵の鍵

昏い花を摘んで
煌々とした炎の中へ
舞う灰を集めて
遠く漂う霧の大河へ

行く人は過ぎた熱を求め
帰る人は覚めた痛みに心を枯らす

誰も至れぬ時の定め
老いた者はそう零して
足跡を石に刻んだ

私は揺蕩う夜の丘で
知らぬ花を求め漂う

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