続・春の草とかかじる日々〜前編〜

こんにちは。
糸凪邑です。

前回に続き、野山やらなんやらを散策した時の発見物に関する報告をば。

ただ、今回は量が多いので、前編・中編・後編に分けて記してゆこうかと。
では、前編へ参りましょう。



ダムに続く原っぱ的場所にて

・オランダガラシ(クレソン)

ダムへ流れ込む川。
そのいたるところに茂るクレソンことオランダガラシ。
Twitterでもこのブログでもちょくちょく登場してるけど、改めて紹介するのには理由がある。

わかるだろうか、この大きさ。
僕の手は中指から手の付け根までおよそ20cm弱とそこそこの大きさがあるはずなんだけど、手が小さく感じてしまう。
採取ついでに観察。
この白いのはおそらく新芽部分。
ここから新しく枝(茎?)を伸ばすんだろうね。
そうして増えていったのがこの広大な茂み。

話によると、その繁殖力のやばさからオランダガラシは要注意外来生物に指定されており、地域によっては駆除するところもあるとか。

栄養価も高く、少なくとも人間にとっては価値ある植物なのだけど、他種を脅かすことのデメリットとか考えると手放しで喜べるもんじゃないんだろうね。
難しい。

もちろん可食。
おひたし炒めもの鍋の具材サラダその他諸々何でもいける。
こちらは前回載せたタネツケバナとクレソンの2ショット。
同じアブラナ科で、大きく育ったタネツケバナはクレソンと間違えられるというのがわかってもらえる気がしたんだけど、クレソンが大きく育ちすぎて逆にわからないような。

残念。


・菜の花

こちらも前回紹介したけれど、春ということで再び登場。
菜の花はアブラナ科アブラナ属の総称。
菜花はその中でも花を属するものをいう。
今年気付いたのだけど、菜の花はとても良い匂いがする。

写真のそれは自分の背丈と同じかそれ以上に育ったもの。
ふわりとした薫りが素敵だった。

薫りだけじゃなく、味も良い。
パスタの具、おひたし、炒めモノとか、色々。
シャキシャキした食感と、ほろ苦さがたまらない。

ということで幾らか採取。

その最中に見つけた景色。
地元の人か、外の散策者かはわからないけれど、めっちゃ摘まれてた。
いっぱい生えてるんだから、もっとまんべんなく採ればいいのに。

これじゃ花の乏しい茂みになっちゃう。


・危険な大地

こちらは採取していたところの大地。
こんだけひび割れてるってことは、増水したときにはきっとここら一帯浸かるんだろうね。
そこらに残された苦戦のあと。
ふよふよした地面。
体重がかけられない。
いや、流石にここらへんは乾ききってないだろう。
見ればわかるじゃないか。
もうちょい気をつけようぜ。
とか思ってたら地面に刺さった。
履いてる靴が全て地面に沈む。
その深さ20cmほど。

こないだノートPCの傍で水の入ったコップをぶちまけたけど、それと並ぶくらいのドキっと具合だった。
底なし沼とか流砂にハマる人の気持ちが一片くらいわかった気がしなくもない。

他人の痕跡にツッコミをいれてから、地面に突き刺さるまででにかかった時間は3分。
カップ麺じゃないんだから。

しょぼくれた心とともに足を引きずり出し、川で靴を洗う。



・伸びたフキノトウ

山菜としてのフキノトウは開いていない蕾を摘んで食べるのが一般的だけど、これはその蕾が開いて伸びたもの。
何を食べるのかっていうと、茎の部分。

これがどうやら食べられるらしい。
ということで、今回挑戦してみた。

下ごしらえとしては、茎の硬い部分を剥き、下茹でし、斜めに薄くスライスして水に晒す。
で、それを炒めて食べる。

フキノトウのほろ苦い感じは全然無く、フキのような薫りと、シャキシャキとした食感。
個人的には結構良い。
フキノトウを逃して落ち込んでいる時でも充分に美味しく頂ける選択肢。

フキは食材として結構優秀だ。


・アブラナ科の誰かさん

靴を洗ってた時に発見したもの。

見た目的にアブラナ科とは思うけど、何がどうなってこうなるのか、正体は誰なのかわからず。
ちなみにめちゃめちゃでかい。
画像左側で茂ってるのはかなり育ったミドリハコベ。
それと比べてもらえると、お分かりいただけるかと。


・オオアラセイトウ

アブラナ系、特にダイコンのような花を抱えた何か。
調べてみると、オオアラセイトウというもののようで。

最近、アブラナ科を見る目がほんの少しだけついてきた気がする。

食べたことはないけど、可食。


・レンゲソウ

前回も紹介したけど、ゲンゲことレンゲソウ。
この季節は畑を覆う桃色の群れを発見したらこれだったということが多い。
せっかくなので観察。
1つのところから大きな花が生えてるんじゃなくて、小さな花が集まって1つの大きな花のようになるらしい。
綺麗な形だ。

こちらも可食。
以前かじった感じではマメ科の味がした。


・オナモミ

ヒッツキボウシ、クッツキボウシなどの愛称で呼ばれるもの。
小さい時とかに投げて服にくっつけて遊んだ経験がある人も多いと思う。

この地はオナモミが大量に生えていて、川に近付くためにはその林を抜けないといけなかった。
この酷く成長しきった棘を実らせた木々の間を。

おかげで服にたくさんのお友達が出来た。
何も嬉しくない。


・アブラヤシ?

川を離れ、山林へ避難した先で見つけた、アブラヤシと思しき木。
幹を覆う細い繊維は、火起こしの際の火口(ほくち)に適しているとか。
確かに一瞬で燃え上がりそう。


・トリカブト?

散策路にて見つけたもの。
日本三大毒草の1つであるトリカブトのように見える。

トリカブトと似ている可食草にニリンソウというものがあるのだけど、それは春に白くて小さな花を咲かせるとか。
しかし、花は確認できず。

というわけで、暫定トリカブト。


・青いもみじ

青いもみじって見る機会ないなぁと思って撮影。

この時、ふと疑問に思ったことが。

"そもそも「もみじ」ってなに?"

僕らがもみじって呼んでるのはなんなんだろう。
もみじってのは種の名前なのか、それとも画像のような形の葉が紅葉したものを呼ぶんだろうか?

はて・・・

ということで、ちょっと調べてみた。

モミジってのはムクロジ科カエデ属に含まれる植物の一種。
その中には○●モミジとか□■モミジという様々な種類のモミジとなのついたものがあり。

で、一般的に僕らが指すモミジは、カエデ属のもののうち、鮮やかに紅葉するもの(したもの)を指すみたい。

1つ学んだでよ。

・カエデ - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%87

・紅葉 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E8%91%89



とある田舎道にて

・準備万端なタンポポ

田舎の田んぼ道を散歩してた時に発見。
ふわふわという概念そのものが顕れた在りよう。

ふーってしたくなる。

タンポポ自体は可食。
わた野郎は知らん。
毒云々の前に飛散しそう。


・干からびたフジの実

普段"錆びた植物"とかいって3Dモデル作ってるけど、それが実在したのかと思ってしまったほど干からびたフジの実。

錆びたフェンスと馴染むほどの質感。

ちなみにフジの実は煎って食べることができるらしく、その味は空豆に近いとか何とか。


・壁一面のユキノシタ

壁一面に生い茂るユキノシタ。
ユキノシタは湿気と日陰のある場所、例えば生け垣の石の間とかに生えてることが多いんだけど、これは流石に生えすぎだろう、と。

しかも、画像じゃわかりにくいけど、めっちゃでかい。

一番でかいものだと直径10cmオーバー。
下手すれば15cmくらいのもあったかも。

こちらのユキノシタは可食。
食べ方としては天ぷらがメジャー。
前に若芽を摘んで試したことがあるけど、シャクシャクして美味しかった記憶。

ここで1つ実験を。
ユキノシタに限らず、山野草類は新芽とか若芽を食べるのが一般的なんだけど、何事にも例外はあるはず。
例えば、成長しても状態がそこまで変わらないとか。

僕が触った感じ、ユキノシタは若いものも育ったものもあまり変わらず、どちらもぱりっとした葉と、ぽきりと折れる茎、みずみずしい断面。

何かいけそうだったので、色んなサイズのものを持ち帰って試してみた。

結果としては、全然問題無し。
育ちきったものには若干の渋みみたいなものはあったけれど、うぇっとなる類じゃなく、ほんの少し癖があるなぁ、といった程度。

ユキノシタは元から癖の無いものなので、僅かに出たところで許容範囲。
今回は天ぷらじゃなくて、湯がいたものを酢味噌で食べたんだけど、天ぷらならそういうのも全く気にならないかもしれない。

食感に関しても特に問題は無く。
育ちきったものによくある「繊維質が多すぎて食べられない」みたいなものは特になかった。

何事も「自分で試す」が一番だね。


・対花粉症患者用兵器「杉壁」

民家の壁を覆う、春の兵器。
空気中に散布する、小さな悪魔たち。

焼き討ちに合わないことを祈るばかりだ。
ちょっとした疑問なんだけど、花粉症になる人とならない人って何が違うんだろう。

何かしらの理由で花粉を排除すべき異物として判断しない身体が出来上がっているのか、それともまだ発症してないだけで、全人類例外なく発症するものなのか。

よくわからない。
アレルギーと同じなら、小さい頃から野山で遊んでるとかからないとか、そういうことがあったりするのかなぁ、と。

んー、謎である。


と、そんなふわりとしたところで前編はお終い。
中編へ続く。

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