続・春の草とかかじる日々〜中編〜

こんにちは。糸凪邑です。

当記事はタイトル通り「続・春の草とかかじる日々の中編」となります。

前回はこちら。

・続・春の草とかかじる日々〜前編〜
https://kairandou.blogspot.com/2019/04/blog-post.html


では閲覧開始。


大きなダム周りの散策路

・ツタ混じりの廃れた設備

散策路の途中にある、謎の建物。
おそらく、このダムに関連した設備なんじゃなかろーかと思ってるのだけど、正体は不明。
人の出入りがあるようには見えないし、なんのための建物なんだろう。

よくわからんけど結構好きな在り方。


・緑に沈んだ建物

散策路に茂る緑の奥に佇む、煉瓦の建造物。
山を歩くひとの休憩所として作られて、そのまま埋もれてしまったのかな?

こういう人工物が自然に覆われていく姿は大好物。


・カンゾウの群生

今年はカンゾウがあまり採れそうにないなぁとかしょぼくれてたところに表れた群生。
今年新しく見つけたところなので大層喜んだ。

あまりの喜びように、その勢いのまま帰りの階段を駆け上ったら身体が死んだ。
運動不足良くない。

こちらのカンゾウは可食草。
おひたし、汁物、天ぷらなど。

今年始めて天ぷらを試してみたんだけど、ネギっぽい感じで美味しかった。
カンゾウの食べ方としてはこれが一番おすすめかも。

あっさりがいいなら茹でて酢味噌。


・マムシグサと思われるテンナンショウの某

食虫植物的見た目が特徴のテンナンショウ属。
そのうちの1つ、おそらくマムシグサかな、と。

毒草。


・緑に沈む廃屋

散策路を進んだ先の住宅地に表れた廃墟。
山と川に挟まれ、ゆっくりと自然に侵食されていく。
一軒だけじゃなく、並ぶ家々が全て廃屋の模様。
何でいなくなっちゃったんだろうね。


・桜の天井

廃屋のすぐ隣の公園、それを覆うように広がる桜。
止まった景色の傍で流れる季節。

不思議な感覚。


・ビワ

住宅の中の一軒の家。
その塀から伸びて広がるビワの木。

そこにはこれから実りゆくものが。
果樹のある庭っていいよね。
もし家を持つなら、広い庭で季節ごとに実るよう何種もの果樹を植えたい。


・フキたちの群れ

フキとフキノトウ。
だいたい食べられるっていうのが面白い。

そういえばフキの茎とフキノトウの花(蕾)、茎は食べたことがあるけど、葉も食べられるらしい。

灰汁も風味もどっちも強いけど、しっかり灰汁抜きして味噌で炒め煮にして佃煮のように仕上げると美味しいとか。

聞くと美味しそうだけど、その味は如何に。



廃れた登山道

・道でなくなりつつある山道

ダムを囲むように作られた散策路。
その途中にぽつんとある、山への道。

前々から行ってみたかったのだけど、果てが見えないから――下手すりゃ山を超える可能性もあるから――か、どうにも進む気になれなくて。

とか考えてた自分を置き去りに、ノリで行っちまえと今回行ってみた。
どこにでもある普通の湿気た山道を20分ほどすすんだころから、道が道でなくなってゆき、
それでも地面には道らしき跡があったため、淡々と進み続ける。
「道だけど、道じゃない」という感覚がお分かりいただけるだろうか。

登り始めてすぐ、僕の心は「帰ろう」と駄々っていたけれど、ぶっちゃけどこで引き返すかを決めきれなかった。

とりあえず道が続く限りは進み続けよう、そう決めて歩き続ける。
そして辿り着いたのがこの場所。
周囲を急斜面に囲まれた、狭い広場。

行き止まりである。

登り始めて40分ほどだろうか。
その時間をかけて道に見えなくもない場所を進み続けた結果は、ただの行き止まり。
山頂ですらない。

道半ばの、ただの行き止まり。

何なんだろうね。
どこかへ続く登山道だと思ったんだけどな。

少なくとも山頂までは続いていて欲しかった。

もしかしたら、以前はもっと続いていて、何かしらの理由で道がお亡くなりになったのかもしれない。

ともあれ、この道には何もない。
それが確認できただけで良しとしましょう。


・道端の切り株

何もなくなった道を引き返す途中。
せめて何かしら楽しんで帰りましょと散策モードに切り替え。

この写真は道端にあった切り株。
切られてどれくらい経ったのか、断面は苔で覆われていた。

こういうの好き。


・サルトリイバラ

道にぶら下がっていた、ツタのようなもの。
おそらくサルトリイバラ。
この鉤爪のような棘が特徴。
生えたばかりは柔らかいけど、しばらくすると固く、鋭いものとなる。
名前の通りの効果を発揮しそうな程度には。
ちなみに新芽は食べられるとか。
ただ、灰汁が強いので充分な下処理が必要とのこと。


・道端のゼンマイ

この道を登る途中、道端にぽつんと生えていたゼンマイ。
この日は4月の始め頃で、ゼンマイやワラビを探すことを目的として山に入ったのだけど、まったく見つからず、わりと心がしょんぼりしていた。

そんな中唐突に出現したゼンマイは心のHPを回復させるに充分なものだった。
まぁ、この場所ではこれ以外に見つからなくて、そんでもって、この道の先にはもっと心を疲れさせる未来が待っていたわけですが。

この時の僕は知らない。



小さなダムへ続く道

・冬から春へ

上の行き止まり山道を登った時と同日。
ついでに竹の子でも見に行くか、と場所を移動。

画像は上流の小さなダムへ向かう道。
この隣に竹林がある。
ついつい登りたくなる坂。

写真は確か2月のもの。
で、こっちは最近行った時のもの。
今年気付いたんだけど、春になる前にはこうして一度丸坊主にされるらしい。

狩られてから2ヶ月程。
春が表に出始めている。


・大量に芽吹く謎の植物

そんな斜面に生えてきた正体不明の植物。
触ると硬い。
きみ、なに?


・カンゾウに間違えそうな誰か

他にも色々生えてきてた。

こちらはカンゾウに見えなくもないもの。
もちろん、カンゾウじゃあない。
こっちがカンゾウ。
よく見比べればわかるけれど、カンゾウは中心を包むような葉の生え方をしている。
こっちは、ただ縦に並んで伸びるだけ。

正体はわからんけれど、わからんものは食べないことを推奨。
草摘みの鉄則。


・なかなか育ったゼンマイ

竹の子探しに来たのに、足元見たらゼンマイを発見するの図。
育ち方はまばらだけど、こんなふうにかなり立派に育っているものも。



これは持ち帰ったもの。

どちらも雌ゼンマイ。
緑と茶っていう色の違いは、育ち具合。
緑のやつももう少しすれば茶色がかった緑になる。

もちろん可食。
山菜といえば?という問いに対して、竹の子とかワラビとかと同じくらいメジャーなものだと思う。


ここでちょっとしたお話。

ゼンマイには「雄ゼンマイ」と「雌ゼンマイ」と呼ばれるものがある。
こっちが雄ゼンマイ。
緑色のふわっとしたやつは胞子嚢と呼ばれるもの。

画像はかなり広がった状態だけど、丸まった状態で生えてきて、それからこの画像のように徐々に広がっていく。
で、こっちが雌ゼンマイ。
雄ゼンマイにあった胞子嚢は無く、そのかわりに葉がついている。

ゼンマイを採取する際の決まりとして、「雄ゼンマイは採ってはならない」ってのがある。
雄ゼンマイが無くなると生えてこなくなるらしい。

というわけで、ゼンマイを採る際は雄ゼンマイではなく、雌ゼンマイだけを採ること。
ついでに、偏らせすぎないよう、雌ゼンマイも数株残すこと。


・置き去りのタケノコ

ゼンマイとかその他色々を積み終わった時点でPM5:00とかいうよくわからない現実と対面したので、言い訳程度に竹林へ。

すると案の定というか何というか、先に掘られておりまして、はい。

ふらふらと林を彷徨う中に残っていたのは先行者たちの遺産ともいうべき残骸。
要するに「掘ったはいいもののちっちゃかったからその場に捨てたやつ」。

竹の子掘りにくるとよく見かける。

理解はできるけれど勿体無い。
この辺りで日が暮れそうだったので撤収を開始。
結局竹の子は採れず。

ただ、色んな草を摘めたので特にしょぼくれることなく。
菜の花、クレソン、ゼンマイ、カンゾウ、それに加えて、画像は無いけれどワラビやクズもあったり。

今年の目標であった、「ゼンマイ・ワラビ・コゴミ・タラノメみたいな有名な山野草を摘んで食べる」を一部達成。


ちなみにゼンマイとワラビのお味は期待を超えるものではございませんでした、と報告させていただきます。
いや、美味しかったんだけどね。

名前ほどじゃなかったというかなんというか。
その知名度と釣り合ってないかな、と。

もちろん、僕の調理方法が悪いってことも充分にあると思うので、そのへんにはまだ試す余地があるけれど。

とりあえずは、その知名度は美味しさによるものじゃないのかな、というのが現状の認識。


というところで中編はお終い。
後編へ続く。

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