Blenderでレジン風リングを作ってUnityに移すまでの手順

こんばんは。春の味覚と空気を堪能中の糸凪邑です。
「Blednerで3Dモデル作ってBOOTHにアップする」ってのを日課にし始めて半年が過ぎました。

小物をメインに、これまで色んなモデルを作ってきましたが、ありがたいことに、自分が思ってたよりも使ってもらえてるようで。
その中には1000円以上の投げ銭をしてくれる人や「作品に一目惚れしました!!」ってDM放ってくれる方もおりまして。
自分で好き勝手作ること以上に楽しめてます。


で、BOOTHはダウンロード数やお気に入り数が見れるのですが、2019/03/03現在、一番使われているのがこちら。

・3Dモデル「植物結晶の装飾品」
https://hollowcradle.booth.pm/items/1222082

レジン風の装飾品です。

Twitterやこのブログを読んでいただいてる方はご存知かと思いますが、僕は現実でもアクセサリの制作&販売をやってます。

・HollowCradle | Online Shop
https://hollowcradle.official.ec/

その制作物の中で、以前レジンを作って砕いた天然石や乾燥させた草花を閉じ込めたものを作ったことがありまして。

・樹脂の崩石 | HollowCradle
https://hollowcradle.official.ec/items/16763671

それがこれなんですが、ノリで作ったにしては結構気に入ってましてね。
「もしかしてBlenderでも作れるんじゃなかろうか」と思ってやってみたわけです。

そうして出来上がったのが「植物結晶の装飾品」と名付けたこちらのリングたち。

1枚目がUnity内で撮影したもの。
2枚目がBlende内のもの。

現物とはだいぶ違いますけど、雰囲気は出てませんか?
僕はBlenderのレンダリングが下手くそなので、そっちはあまり見れたもんじゃないですけど、Unityの備え付きのシェーダーをそのまま使ってみた方は多少マシに見えるような。
どっちも大差ない?

そっかぁ。

ま、そんな悲しい現実はさておき。
今回はこれの作り方に関する記事です。

多少なりとも需要があるならひたすら自分で作り続ければいいんですけどね。
僕はその時々の気分で色々作りたいのであんまり1つのものに興味ないんですよね。
かといって、多少なりとも需要があるのに作らないのも勿体無いというか。

そんな板挟みで考えてたんですけど、簡単な結論に至りました。
「作り方公開すればえぇやないか」と。

ぶっちゃけBlenderで透明なものを作ったことがある人なら適当に試せばできるでしょうから、あえて隠すほどの価値や意味があるようなものではないです。
むしろ、公開して自分より上手い人たちがもっと良いものを作ってくれるのに期待する方が面白そう。
興味がある人は自分の好きなようにカスタマイズできるし。
何より、僕自身が謎の需要圧にストレス感じることもないし。

みんな幸せ。


てなわけで、こうしてキーボードを叩いているわけです。
テーマはタイトル通り「Blenderでレジン風リングを作ってUnityに移すまでの手順」

対象者は、BlenderやUnityの操作を"何となく程度には"知っている方、あるいはこれからやってみようという方。
細々した基本操作などはほぼ省きますので、その辺りの習得方法は以前の記事を見ていただければ、と。

・未経験者がBlenderで3Dモデルを作ってBOOTHで公開するまでの道のり
https://kairandou.blogspot.com/2019/02/blender3dbooth.html

※Unityのバージョンは5.4.3x(Linux)です。
だいぶ古い環境なのは僕のPCがおじいちゃんだからです(上の記事参照)。
とはいえやること自体はたぶん変わらないので、適当に読み替えたり、調べたりして頂ければ、と。



では目次と本編へ。

  1. Blender編
    • 造形
    • マテリアル&テクスチャの作成
    • UV展開
    • 透過設定
    • UnityPackageのエクスポート
  2. Unity編
    • UnityPackageのインポート
    • 各種パラメータの変更
  3. おわじ

1.Blender編

造形
何はともあれ、まずは形を作ります。
あ、言い忘れてますが、今回は僕が出品してるものと同じものを作ります。
具体的にはこんな感じの。
リング系でなければ作れないってわけじゃないので、お好きな形でお試し下され。
ただ、他の形で予期せぬ結果になる可能性はありますので、そういうのを避けたい場合はリングでいきましょう。

ともあれ、早速ですがBlenderで[Circle]をこねこねしたものがこちら。
Circleの頂点数は24。
整形後にSmoothをかけてあります。
もっと滑らかにしたいって場合は頂点数を増やして下さい。

形が出来たら次へ。


マテリアル&テクスチャの作成
お次はMaterialとTextureをつけていきます。

適当な名前を付けて[Material]を作成。
今回は「Resin_Ring」にしました。
ついでに消えないよう[F]をクリック。

作成したMaterialに[Texture]も追加。
名前は「ring_pattern」にしました。
こちらも忘れず[F]をクリック。
テクスチャを作成したら、その中にある[Image]の項目からテクスチャとして使う画像を開きます。
開いた画像の名前を「plant_image」にしてますが、この辺は特に意味はないです。
単にわかりやすくするためのものです。

ちなみに今回はこちらの画像を使います。

・テクスチャ用画像9「蔦」 - HollowCradle - BOOTH
https://hollowcradle.booth.pm/items/1153864

使う画像は好きなもので大丈夫ですが、透過部分(アルファ)付きのPNGなどを使ってください。
そうでないと透過しない何かが完成しますので。


UV展開
MaterialとTextureを作って適用したら、お次はテクスチャを当てていきます。
現状、こんな感じのレジンとは似ても似つかない何かになってると思いますが、大丈夫です。
これは変なところに画像のテクスチャがあたってるのに加え、何の透過設定もしてないからです。

ここからは、その辺りをいじっていきます。

ではまずテクスチャのあて方から。
UV展開の出番です。

と、そのまえに作業しやすくするため、レイアウトを[3D View]から[UV Editing]に切り替えます。
その後、[UV/Image Editor]で先ほど適用したテクスチャを開きます。
レイアウトをいじったら、UV展開へ。

Smart UV Projectでお手軽にできたらいいんですけど、残念ながら上手くいきません。
仕方ないので、手作業でSeamを付けて[Unlap]します。

ループ選択や何やらを駆使して適当な辺を選択し、[Ctrl+E]→[Mark Seam]。
今回はこんな感じにSeamを付けました。
Seamを付け終えたら、メッシュを全選択して[U]→[Unlap]。
するとこんな感じになります。
やったことある方はご存知でしょうが、左に表示されてるオレンジのものが右のメッシュを展開したものです。
あとはこれを動かしていけばテクスチャの配置は完了です。
さっきよりはそれっぽくなりましたね。
テクスチャの当て方に関してはこれで終わりです。

テクスチャサイズを小さくしたい場合はGIMPやらPhotoShopやらを駆使して小さな画像を作って下さい。
特にこだわらないって場合はそのままで。


透過設定
テクスチャの当て方をいじったら、お次は透過に関するの設定・・・なのですが、Unityで使いたいだけの場合はこの部分は不要です。
Blenderでの透過設定がUnity側にそのまま適用されるわけじゃないので、どのみちUnity側でいじる必要があります。
ヘタすると、変なふうにパラメータが持ち越されて、思ったようにならないことも。

なので、Blenderでわちゃわちゃする理由が無ければこれを飛ばして[UnityPackageのエクスポート]に進んで下さい。

Blenderでの透過処理をかじっときたいって場合はそのままで。


では、次にBlenderでの透過に関する処理をしていきます。

といっても、この辺りはBlenderRenderでやるよりはCyclesRenderなんかでやる方が綺麗に出来ますし、そっちの方が主流だと思うので、適当に流します。
たぶん需要無いですし。
あくまでBlenderRenderでやるならこんな感じになるみたいだよ、程度に見てもらえれば。

まず、[Material]の[Transparency]にチェックを入れ、その中にある[Alpha]の項目を0.1〜0.3くらいにします。

次に、[Texture]→[Influence]から、[Diffuse]の項目の1つである[Alpha]にチェック。
これだけです。

出来たものに床とSun Lampを当ててみたものがこちら。
影に蔦が写ってるのが確認できると思います。
BlenderRenderでの透過はこんな感じです。

もっと綺麗にしたい場合は色んな項目をいじったり、BlenderRender以外のレンダリングエンジンをお試し下さいまし。


UnityPackageのエクスポート
形を作ってテクスチャやマテリアルをあてたら、あとはUnityにエクスポートするだけです。

まず、[UV/Image Editor]の[Image]から[Save As Image]でテクスチャを保存。
原点の位置、スケールを好きなようにいじったら、RotationとScale、Locationを適用します。
[Object Mode]で作ったものを選択した状態で[Ctrl+A]→[Rotation & Scale]。
ついでに、その上にある[Location]も。
あとは[File]→[Export]→[FBX]で保存設定に進み、
[Selected Object]をチェックして、テクスチャの保存先と同じディレクトリを指定して[Export FBX]。
Blenderでの作業はこれでおしまいです。

エクスポート時の注意点などは前回の記事をご覧くださいまし。

・未経験者がBlenderで3Dモデルを作ってBOOTHで公開するまでの道のり
https://kairandou.blogspot.com/2019/02/blender3dbooth.html





2.Unity編

UnityPackageのインポート
Blenderの作業が終わったら、いよいよUnityへ。
まずは作ったものをUnity側にインポートします。
[Project]の[Assets]に新しくフォルダを作って、右クリックから[Import New Asset]。

まずテクスチャをインポートし、続いてFBXもインポート。

各種パラメータの変更
インポートが終わったら、パラメータをいじります。
インポートしたリングにくっついているマテリアルの[Rendering Mode]を[Transparent]に変更。
この段階でPNGの透過部分が適用されます。

あとはMetalicやらSmoothnessやらその他諸々を好きな用にいじっていくと・・・
レジン風リングの出来上がりです。



3.おわりに

以上、「Blenderでレジン風リングを作ってUnityに移すまでの手順」でした。

記事は長いですけど、やることはそんなに多くなかったかと。
慣れれば10分くらいで出来ます。

こういう透過物の作り方って色々応用利くと思いますので、想像力の赴くままに試してくださいな。
もし何か面白いものが面白いものが出来た時は「こんなん出来たよー」って見せてもらえると幸いです。
腰のきしみと足先のしもやけ、加えて視力低下と闘いながら書いた時間が報われますので。

もしお知り合いにこういうのを作りたがってる人がいましたら、教えてあげていただけるとこれまた幸いです。


それと、僕が作ったリングのテクスチャに関しては全部配布してますので、自由に持って行って下さいまし。

・HollowCradle - BOOTH
https://hollowcradle.booth.pm/


では今回はこれにてお終い。
お疲れ様でした。

また次回、ご縁があればお会いしましょう。

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