自然に学ぶ「道具と知恵の交換法則」

夜を歩けば、肌に纏わり付くような湿気は何処かへ失せ、芳しい花の香混じりの冷たい空気を感じるようになりました。

さまーいずごーん。

いや、秋ですね。
素晴らしい。

春と並んで一年で最も好まれるであろう季節がやってまいりましたよ。
もうこれで年中固定して構わないのですが、もしそれが叶うとしてもきっと有り難みが薄れていって、「夏はよ」とか「冬まだ?コタツミカン」とか言い出すんでしょう。
なので、僕らは季節の変化の中で、それぞれが持つ良さを極力丁寧に感じて過ごすのがいいんだろうなぁ・・・。

とか、そんなことを考えるこの頃。
こないだまでは「夏いらん」とかずっと言っていた気がしますが、まぁこれも暑さが消えて心に余裕が生まれたが故。
つまりは、一年周期で繰り返している恒例行事なわけです。
台無しですがしかたない。
これくらいの我侭は許しておくれ。

とはいえ、涼しくなったのは本当なので、そろそろ「Daddy's Kitchen」なるキャンプイベントを再開しようかな、と思ってます。
今年はなんとなく虫と熱を避けて夏にはお休みしていたのですが、やはり気分的に寂しいものがある。
何となく自然が恋しいというか。
なんやかんやで10回以上やってますからね。
習慣化しているのかもしれません。

どれくらい恋しいかというと、恋しさ余って、山に入っていなかった期間、ふと気づけばYoutubeでサバイバル系の動画を探し続ける自分が生まれるくらいには。

その期間に発見したものでベストだったのがこの方。



「森の中で一夜ソロ ドキュメンタリー 野生で生き残る 自然、沈黙、平和」
https://youtu.be/Xl0E7ItbOBA



・・・魅入っちゃいませんか?
僕はこの方の動画を見つけてから3,4時間くらいずっと視てました。
その後も作業中にある種環境音的なBGMとしてずっとかけたりしてます。

ちなみに今も視ながら(聴きながら?)これを書いてます。笑

不思議な外人(たしかドイツ人)がただ森の中でキャンプしたりするだけなんですけどね。
動画も特に編集が凝っているわけではないし、時々ピントがずれたりするし。
逆に無駄に編集してないところが良いってのはあると思います。

テロップなどの文字情報も無いですし、むしろ表情や仕草などを含めた"在り方"で語っているような。
そういうのが逆に雰囲気出してるのかな、と。

飾らずに淡々としているところも癖になっちゃうんでしょうね。
"淡々としたワイルド感"とでも言えばよいのか。
無理してる感じがなく、「いつものことだよ」的な自然さも素敵です。

でも、この方の動画、そういった点で視るだけでも面白いんですが、個人的に凄いなと思ったことがありまして。

動画の中で道具をほとんど使ってないんですよね。
もちろん、ナイフとか鍋とか火打石類は使いますよ?
まぁ動画によっては鍋さえもその場で自作してましたが。(参考動画1参考動画2)

ただ、その量(種類)が非常に少ない。

普通の人が同じことをやろうとするともっと大荷物になると思うんですよ。
あれもこれも持って行って、と。

でも、この人はめちゃくちゃ少ないんですよ。

それに加えて何よりも驚いたのが、食事面。

これが缶詰とかの保存食がメインだったらわかるんですけど、パスタとか豆料理とかなんかすごい美味しそうなものを作ってる。
何よりすごく"まとも"。
平均すればキャンプ料理と分類できそうなものが多いですけど、回によっては下手すればそこらへんのマダムがキッチンでやるようなものさえある。
環境が環境なんで多少は雑ですけど、作ってる物自体はそういう類のものです。

僕らがやってるものでも似たようなことをしてはいますが、食事面くらいであれば頑張れば模倣できるかもしれません。
できるかもしれないのですが、僕らがやっているのはあくまで日帰りのキャンプ。
大抵、飯食って帰るだけ、たまにそれに加えて竹を切って何か作ったりするくらいですから、むしろキャンプという程ではないかも。
泊まるとなると色々準備が必要なんで、それがめんどうだからやらないってのが一番の理由ですけど、実際にここまで小さな荷物で宿泊+この食事までやるとなるとなかなか難しいところです。
僕としては、「サバイバル」や「ブッシュクラフト」を意識してなるべく「キャンプ」っぽくない過程を踏むようにやってはいますが、実際にやるとなるとなるとやはり違いが出てきます。

そういう点で視ると、この人は凄いな、と。
小さな道具で、このレベルの食事と宿泊を両立させている。

しかもこんな自然体で。
よくある"頑張った感"が全く無く、「ふらっと散歩に出かけてみたよ」的なノリさえ感じる。
ここまで違和感が無いってのは、いやはや素晴らしい。



ものと知の変換

で。
ここからが今日の本題。

そもそものお話。
今回、なんでこの方の動画を紹介したのか、ってことについてなのですけれど。

別にね「こうなろうぜ!!」って言いたいわけじゃないです。

いや、僕としては、こんなことまでできたらすごいなとは思ってるんですが、というかある種憧れてますし、理想としてはすべての人が修めるべき事柄の1つだとは思ってますが、それは置いておいて。

上で言った、動画から切り取れる一面が、ここで僕が提案していることの具体例として参考になると思ったからです。

調理用の火が必要ならガスコンロとボンベを持っていけばいい。
でも、火の起こし方とその維持の仕方を知っていれば必要無い。
調理器具も、鍋かフライパンがあればいい。
食材の下準備も技術さえあればナイフ1本でだいたいのことができる。
ピーラーも必要ない。
手順を考えればまな板も必要ないし、必要であれば作ればいい。
そもそも食材の調達も、知ってさえいれば現地で調達できます。
テントが邪魔であれば自分で寝床を作ればいい。
(流石にここらへんまでできる人はなかなかいませんけれど)

要するに「知識を持つことは道具を代替する」ということ。

当然ながら逆もまたしかり。

「道具は知識の習得という過程を代替し、省略する」

どちらを優先するかは自分の求める在り方に依存します。

ものを増やしたくないなら、知識を身に付ければいいし、逆に知識を習得するのが手間だと考えるのであれば、道具を持てばいい。
それぞれが必要とする資源は異なります。
空間的なそれであったり、時間や労力、金銭的なものであったりもする。

大事なのは、何を目的とし、そのために何を得るべきか。
僕らが選ぶものによってそれぞれ「得られるもの」も、その結果として「観えるようになる世界」も違います。

この場合も同じ。
知識の習得も、道具の使用もそれぞれ得るものがありますから、求める在り方に近づけるような経験を選んで獲得していくべきです。

個人的に目安としては、過程を楽しみたいなら知識と汎用性のある最小限の道具を持つべきだと思うし、数字的な結果(時間効率など)を求めるのであれば、より特化されたものを持てばよろしいかと。

あとは、技術的な問題などで、それによってしか得られないものとか。

あくまでこれは僕の基準ですけど、自分なりに物事を選ぶ基準をある程度明確にしておくと、極力ブレずに在るべき姿へ近づいていけると思いますよ。



てなわけで、こういう視点からも、キツネ氏の動画を是非ご覧くださいませ。
単純にコンテンツとしても面白いのでおすすめです。
人によっては僕のように癖になりすぎて作業用BGM代わりにしてしまうやもしれませぬが。笑

「キツネ - YouTube」
https://www.youtube.com/channel/UCo51mVobmTIWrK57eK2Pscg/featured



もし、他におすすめの方を知ってるよって情報がありましたら、教えてくださいませ。
そういった情報をお待ちしております。
・・・と、これを書いてる途中で、「カメ五郎」という、これまた面白い方を発見してテンション上がってます。

いやー、世界には楽しいことがいっぱいあって、凄い人たちも沢山いるもんですね。


んじゃ、今回はこんな感じで。
またお会いしましょう。



追伸
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